
君は
あの大都会の喧騒の中から
ぼくの静かな村にきた
「雪を見にきたのよ」
と 恥ずかしそうに君は言った
雪はすっかりなくなってしまったというのに
「よく小説できく名前だから
もっと大きい駅なのかと思っていたわ」と、君は言う
「この駅は登山家だけが利用する駅だから」と、僕は答える
「ああ、そうか」
と 君は 妙に納得したような顔をしながら うなづいた
「でも、ここから見える北アルプスは・・・やっぱり きれいだわ
そう言って 眩しそうに 目を細めて
遠くの山を見つめる君の方が きれいだ
と ぼくは 思った
「君は 以前より また若くなったみたいだ」
と ぼくが 言うと
君は 真っ赤な顔をした
「ありがとう
私の頭の中 昔のままだから
だから きっと 若くみえるんだわ」
と 恥ずかしそうにうつむいた
照れている君は とてもかわいい
でも ぼくは 何も言わなかった
少し 気まずい雰囲気が流れた
何かを喋らなければ いけない
でも いい言葉が思いつかない
君を 想う心ばかりが 膨らんでいく
君もそうなのだろうか
普通の恋人同士のように 手をつなげればいいのに
普通の恋人同士のように 肩を寄り添えればいいのに
そんなことばかりが 脳裏をかすめる
君もそうなのだろうか
うつむいていた君が ふいに顔をあげた
瞳がうるんでいる
「もう帰ろうかな」
と 君は言った

君を好きになって・・